「カタログ三昧。」第2弾は、またもモーターショーのカタログです。メーカーはダイハツ!
今回は第28回モーターショーなので、1989年となります。
縦長の冊子でした。表紙には、この年のダイハツのメインコンセプトカーとなったフェロー90が載っています。
ページをめくると、ダイハツのクルマ作りの信念的なことが書かれていました。小さいクルマに対する強いこだわりが伝わってきます。今もこの当時も変わらないようですね。
フェロー90。
フェローというのは、更に昔にダイハツが作っていた軽乗用車の名前からとったのでしょうか。“90”の由来ですが、90ps、もしくは900cc、あるいは車重900kgのどれかから来ているのかな~?と思いましたが、主要諸元によると120psで1600ccで850kgだったので違うようです。他の数値を見ても90に関連するものはありませんし、謎は深まるばかり。
乗ることの楽しさを追求したパーソナル・コンパクトカーらしいですが、ただのセダンに見えても実はTバールーフになるようですし、850kgという軽量ボディながら120psもあるので、確かに走りは楽しそうですね。
主要諸元とインテリアです。
見ての通り、どこにも90と関連する数値がないのが分かりますよね。一体由来は何なのでしょうか・・・。
メーターは80年代らしくデジタルが採用されています。
スニーカー。
名前が示す通り、あくまで街乗り専用車です。どことなくタケオカ自動車工芸のミニカーを彷彿とさせるデザインとコンセプトですが、550ccのエンジンを搭載しているので、一応高速は走れますね。
ちっさくて愛らしいデザインは、確かに女性ウケは良さそうです。ダイハツって昔からこういうの好きですよね。
このクルマで面白いと思ったのは、この縦列駐車アシスト機能。
ただでさえ全長が短くて楽に縦列駐車できそうなものですが、なんとこのクルマはレバーを引くと、リア中央から第5のタイヤがせり出してきて横に移動できるというのです。実用化されているのを見たことがありませんが、中々画期的なアイデアだと思います。
・・・まあ、自分で何度も練習して上手くなるのが一番いいと思いますけどね。
左上のは、久しぶりのダイハツ独自開発のセダンとして満を持して登場したアプローズ。チューンドモデルのようです。燃料タンクの設計ミスにより火災が発生したため、発売後まもなくして欠陥車の烙印を押されてしまったという、ダイハツ的には黒歴史扱いの不運なクルマ。
右上のはリーザのオープンモデル、リーザスパイダーです。この時は参考出品車両でしたが、めでたく限定生産で市販されました。バブルだったからこそ実現できた規格でしょうね。
下のはシャレード4WDをベースに、更にホットな外見にしたシャレード4WW。ミラにもRV-4という似たような感じのヤツがありましたね。
左ページに載っているTEC-1やRA-90というコンセプトカーですが、どこか見覚えはありませんか?
そうです。今までにない小型SUVとして大ヒットしたスズキのエスクードに対抗すべく現れた、ロッキーなのです。同社の中型クラスのSUVである、ラガーの弟分的位置付けでした。
他にも色々載っていますが、特に僕が気になったのはコレ。
ハイゼット・ダンボ。
このカタログを見て初めて知りました。デザインがアニメに出てきそうなクルマみたいで、見るからにヘンテコです。名前はハイゼットジャンボに引っ掛けたのかどうか知りませんが、フロントガラス両脇にくっついている耳みたいな巨大なミラー(?)が「ダンボ」たる所以かと思われます。
「軽規格でとにかく空間の広さを追求するとこうなる」的なコンセプトかと・・・。名前もコンセプトも良い意味で馬鹿馬鹿しく、ユーモア溢れるところがさすが大阪の会社という感じです。
最大限に空間を広くとるというコンセプトは、今でいうところのウェイクになるのでしょうか。
最後に裏表紙を。当時のダイハツ車ラインナップの一部が載っています。
アトレーやミラは草ヒロで見ないこともないですが、それ以外は現役も草ヒロも全く見ませんね。・・・まぁ、リーザやシャレードはまだ少しは残っていそうですけれども、アプローズやソシアル、ラガーなんて一体どれほど現存しているのでしょうかねぇ?マイナー車好きとしては、是非とも1台は見てみたいところですが・・・。