秋のミニ探索シリーズは2つとも、ある草ヒロを求めて地元のある場所へ向かうのですが、これもBOOKOFFシリーズと同様、まずは道中で出会ったネオクラ(90年代のクルマのこと:オレ流定義)やレア車たちを紹介していきたいと思います。
草ヒロがメインのブログだけに、旧車・草ヒロだけ好きという方も見ていただいていることと思います。そういった方には申し訳ございませんが、こういうクルマの楽しみ方もあるということをご理解頂ければ幸いです。
尚、草ヒロがメインの姿勢は今後も変わりませんのでご安心を。あくまで、長期更新休止期間(2015年3月~2017年3月)を経て筆者の嗜好が増えたというだけでございます。
さて、今日は、この探索の時に遭遇した90年代後半~2000年代前半にかけてのRV(死語)を紹介していきます。空前のRVブームが、ミニバンの台頭によって終焉へと向かっていく中、最後のあがきというか意地というか、その時代に作られたRV達を見ていきましょう。
いすゞ ミュー レジントップ(UES25EW/UES37EW)
UES25EWなら:2000~01年式
UES37EWなら:2001~02年式
神奈川県にて 2015年9月13日撮影
RVブームの過熱により、個性的独創的なRVをいくつか出していたいすゞ。どのクルマにもいすゞらしさが溢れていました。
これは“いすゞらしい”渾身の一台。MUと書いてミューと読むクルマです。“Mysterious Utility”の頭文字を取って名付けられました。その名の通り、実用性に関しては疑問符が付くクルマでしたが、屋根を外すなり折りたたむなりしてオープンになったり、ワイドでショートなボディの走りの楽しさや見た目の面白さを楽しむなど、完全に“楽しいクルマ”を目指して開発されたことが伺えます。
ちなみにこれは2代目の後期モデル。
初代が出た当初はバブル景気がまだ続いていたこともあり、RVブームも絶頂だったため、こんなヘンテコなコンセプトのクルマでも十分売れましたが、バブルが崩壊し、RVブームも下火になり、いすゞがRV以外の乗用車の自主生産を辞めるなどの良くない事情が重なったため、2代目の販売台数は、初代とは雲泥の差となってしまいました。まだ初代の方が見かけるのではないでしょうか。
エンジンはガソリンとディーゼルの2種類が用意され、ディーゼル仕様は2001年までの生産、レジントップにおいては、ガソリンは2001から2002年までの生産なので、エンジンによって年式と型式が変わります。なので、一応2種類書いておきました。
どうやら、2代目のガソリンモデルの生産台数はなんと300台にも満たないらしく、エンジンの違いがかなり重要になってくるというのです。まあ、2代目ミュー自体1200台弱程度しか売れなかったようなので、いずれにせよ珍しいことには変わりませんが・・・。
三菱 チャレンジャーGDI-XR(E-K99W)
1997~99年式
神奈川県にて 2015年9月13日撮影
RVブームの火付け役は三菱で間違いないでしょう。長らく生産し続けたジープの後継として登場したパジェロが予想以上に売れ、気を良くして発売した2代目がこれまた大ヒット!一躍RVの星となるほど有名になりました。
バブル崩壊にあたって各自動車メーカーは苦戦を強いられましたが、三菱はバブルの崩壊など何処吹く風と言わんばかりにアツいクルマをラインナップに加えていきました。このイケイケっぷりは、リコール隠し発覚後、燃費偽装発覚後の三菱の状況からは考えられませんね。過去の栄光というやつでしょう・・・。
これは2代目パジェロロングをベースに、シートを2列化して背の低いボディを被せ、よりスポーティな性格に振ったチャレンジャーというRVです。海外では、パジェロスポーツとかモンテロスポーツ(モンテロ=パジェロの輸出名)という分かり易い名前となっています。
・・・余談ですが、3代目RVRは海外においてアウトランダースポーツという名前なのです。知ってました?
前期・中期のチャレンジャーはよく売れただけあってまだたま~に見かけますが、レアなのは後期型。1999~2001年の2年間売られましたが、2000年に例のリコール隠し発覚事件が起こり、その影響やRVブームがだいぶ下火になってきたこともあってほとんど売れなかったと言います。
後期型を見たらすぐにカメラに収めてもいいと言う程珍しいでしょう。これは中期型ですが・・・。
ホンダ Z(GF-PA1)
1998~2002年式
神奈川県にて 2015年9月13日撮影
最後に、ホンダのSUVを紹介して終わります。
ジムニー・パジェロミニのモデルチェンジ、テリオスキッドの登場が1998年頃に相次ぎ、軽SUVを作っていなかったホンダがこの時期に参入したのは偶然か必然か。・・・とにかく、ホンダなりに軽SUVを作るとこうなるという答えです。
名前はZ。コンセプトは全く異なるものの、ライフやバモスが復活したように、Zの名前も復活させることにしたようです。
Zが他の軽SUVと決定的に異なるのは、エンジンの位置。ライバルがいずれもフロントにエンジンを置くFF/FRベースの4WDなのに対し、Zはタイヤとタイヤの間にエンジンを置くMRがベースの4WDなのです。
これは同社の軽トラ・アクティがベースになっているためであり、これによってただの後追いには終わらない、ホンダらしい軽SUVとなっています。ミッドシップの4WDというと、ランボルギーニの各車、アウディ・R8、フォード・RS200などといった、スーパーカーぐらいにしか採用されていない特異的なレイアウトだということを考えると、いかにZが特殊な存在かお分かりいただけると思います。